2008年04月23日

白井変換辞書β版



とある習い事を始めた。
毎週決まった時間に、授業的なものに出るというのは大学以来。

その初回、講師が言っていた。

************************
遠慮なく自己主張をしなさい。
今の時代、大人しく控え目にしていると
「発言しない人はいないのも同じ」ということになる。
しっかり発言してください。
************************

なるほど、その通り!

さて、その内容を覚えておくために、ヘンカン、ヘンカン。
覚えやすい言い方に‥

まず、自己主張にも目的がほしいよな。それ自体が目的じゃないし。
となると、目的は「好きな状態に近づける」こと。
ここは思い切って「好きなことを言おう」あたりで。

それから自己主張の邪魔になるものにどいてもらおう。
僕の場合、一番大きいのは「自信のなさ」かなぁ。
ここは「自信を持って」と。
「遠慮なく」あたりが加わるとなおいいなかぁ。
変換終了。

ということで、完成型。

「遠慮なく、自信を持って、好きなことを言おう」

何だか気弱な人みたいになってしまった・・が
まあいいや。。

あてにならない変換辞書。
来週も、通勤電車内で作動する・・とみられる。




posted by 白井麒麟 at 16:43| 東京 ☀| Comment(0) | あしもとの小さな音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月12日

小さな分かれ道


男の子





「俺たちと一緒にやっていくつもりあんのか?」


一年前。
銀座の片隅のバー。
三十歳のSを前に、先輩と僕は酔っぱらった勢いで大きな声を出していた。
Sは何とも向き合っていないように見えた。
会社を批判し、上司同僚をナメ、仕事を逃れる毎日を送っていた。


「どうなんだ」


ボクサーのパンチに耐えるように、身体を固くしてうつむいたSからは
答えが返ってこない。

張り詰めた沈黙−−
僕はもう何杯目だか分からないハーパーソーダを口に含む。


「何か言えって。お前が一緒にやるっていうんなら、俺らは一緒に一生懸命やるよ。
でも、このメンツじゃイヤだってんなら、ここで言っといてくれ」


「その答えは・・」


Sの身体がようやく動く。
ゆっくりと前屈みの姿勢を直す。


「その答えは、今ここでは出せません」



**



あれからちょうど一年。
再び僕たちは、銀座の片隅のバー。


一年前と変わったのは、僕のグラスの中身がバッファローソーダになったこと。
そして、つい先日Sが、代理店からササれたこと。


『あの人を担当から外してください。
こちらでは会議の議題に挙げて、社の問題にしてもいいんですよ』


先方からの一言で、Sは長年担当してきたその代理店を外されることになった。
小さな分かれ道は、一年前にあった。


新しく来た上司は、「残念だったな。でもまたがんばろう」と言う。
Sは「ハイ、ガンバリマス」と応じる。
この一年でSのことが大嫌いになってしまった庶務の女性が
僕の隣でしかめ面をする。


迷いや夢があるのは、悪いことじゃない。
でも、勤務時間にまでそれを持ち込んじゃいけない、と僕は思う。


今度はどちらの道を選ぶつもりなのか。それが知りたい。
来月からSは僕とチームを組むことになるのだから。


「俺が何を言いたいか、分かるよな」


Sはちょっと緊張した顔でうなづく。


「俺は、お前が本気で相談してきたら、全力を使って答える。
もしそうしなかったらお前は俺をサシていいワ。
そのかわり、自分がズルするための相談はやめてくれ」


一番若い営業マンのIが、膝の上で拳をにぎっている。


「・・一からやり直すつもりがあるのか、ないのか。教えてくれ」


一年前を思い出すような張り詰めた沈黙。
「バッファローソーダのお客様」という店員の声が割って入る。


**


総武線の金曜日の終電は、まるで洗濯機の中だ。
電車が動くたびに、ドラムが回るように人が流れる。
その流れに身を任せながら僕は、見極めようとする。
屈辱の中絞り出した「あります」という言葉、
そして、さっき東京駅で「ウィッす」と言って手をあげたSが
久しぶりに晴れやかな表情に見えたのが
果たしてホンモノだったのかどうか。






タンポポ





posted by 白井麒麟 at 18:42| 東京 ☁| Comment(0) | あしもとの小さな音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月06日

ナーが・・






ナーはあと一カ月ほどで四歳になる。
少し成長しているのか、このところ一人で何でもやりたがる。
どこで覚えてきたのか「オレがやる」とか、おナマを言ったりする。
それだけならいいのだが・・


昨夜のこと。
家族で外食したあと、ボクは映画が観たくなりTU○AYAに寄った。
家族は車で待っているといったのだが、ナーだけは「一緒に行く」。


二階のフロア。
ついでにCDも・・とか、ついついモタモタしていると、
「パァパァ、早く行こうよぉ」。
もうちょっと、もうちょっとと引き延ばし・・
ふと足下を見るとナーがいない。
店の中をぐるりと見渡しても姿がない。

!!

もしや、と思い、慌てて手にしていたDVDやCDの元ケースを探す。
『うわぁ、どこだったっけ』
焦れば焦るほど、元のケースは見つからない。
この間に・・とかイヤな想像が頭をよぎる。


何とか収めて階段を駆け下り、外に出ると当然辺りは真っ暗。
駐車場には、自動車のテールランプも光っていて・・
ボクはとにかく我が家の車まで急いでドアを開ける。

「ナーは?!」

いた。
目を丸くして。
びっくりさせた本人なのに、びっくりした顔をしている。

「一人で帰ってきたからびっくりしたよぉ」と妻。

ふぅぅぅぅ。
こんなに焦ったのは久しぶりだった。


**

今朝、電話で母にその話をした。
すると、ボクがナーくらいの時も同じようなことがあったらしい。
デパートの近くのボタン屋さんで、
母がボクを連れて買い物をしている時、三歳のボクはいなくなった。
母はパニックになって、交番に飛び込んだらしい。
パニックのままボクの特徴などを説明していた時、

「この子のことじゃないかね?」

と、おじさんがボクの手を引いて交番に現れたそうだ。
ボクは、五百メートルほど離れた大きな郵便局まで歩いていた。

「そのくらいの歳の子は危ないから、目を離したらいけんよ」
とのこと。
その通りです。

でも、長女はそんなことはなかったのになぁ・・。

やっはり男の子ならでは、なのかも知れない。






さくらてんとう






posted by 白井麒麟 at 18:04| 東京 ☀| Comment(0) | あしもとの小さな音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月02日

マネキン





マネキン







チューリ







街
posted by 白井麒麟 at 01:38| 東京 ☀| Comment(0) | あしもとの小さな音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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